はら小児科

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■ 「アトピー性皮膚炎」のお話
更新日: 2009/3/24(火)
皮膚がかさかさしたり、じくじくしたりしてかゆみを伴う症状が出現します。特に肘や膝、耳の下あたりが乾燥して切れてきたり…おなかや背中をさするように触ると全体的に「ざらざら」と、いわゆるさめ肌のような感触がある。暖まるとかゆみがひどくなり、夜も眠れない、機嫌が悪い、見た目もひどい。

アレルギーとは、基本的には生体の防御反応です。体が敵だと認識した物質に対して攻撃することで局所に炎症を起こします。その炎症反応が強ければアレルギーとして症状を現わします。すなわち、人間はたんぱく質で出来た細胞を集めて成り立っていますが、牛乳などの人間とは違う生物(牛さんとか)のたんぱく質が体に入ってくると、それを攻撃することによって症状が現れてくると考えられています。冷たい牛乳を一気に飲むとおなかを壊す、アレルギー反応です。卵もそうです。個人差がありますので、すべての人に症状が現れるわけではありません。いわゆる食事性のアレルギー反応です。腸管の刺激が原因となりますので、生後1〜2年で吸収能力が整えば自然治癒することがあります。

ダニやホコリ、化繊が原因となる接触性の皮膚炎からのかゆみ、これもアトピー性皮膚炎を起こすと考えられています。もともと皮膚は、生体にとってバリアー機能を持っています。かさかさしている肌は、その機能が低下していることが多いようです。そのため夏場は「とびひ」になりやすかったりすることがあります。冬場は空気の乾燥も手伝ってかゆみが増悪します。男性ホルモンがたくさん出始める(女性もある程度は分泌されます)10歳すぎに軽快することがあります。

大切なのは原因がなにかを確かめることから始まります。乳幼児では食事内容の適正化(脂っこいものや乳製品を控えるなど)、児童では皮膚の保湿を考慮したり、原因と症状によって治療方針も変わってきます。治療によって劇的な改善は少ないものの、根気よく継続することです。

アレルギー…我が子がアレルギーで苦しんでいる、そんな御両親がその子に対して年間に治療(民間療法を含めて)として出せる限度、およそ200〜300万円!だそうです。やれ、活性酸素を取り除く効果があると謳うSOD製剤、特殊な金属を織り込んで皮膚の治癒能力を高めるといわれる布団、などなど。なまじ安いと効果があるのか?高いと「しょうがないが我慢しなさい」という気にさせるそうです。たまたま効果があればそれはそれでいいのでしょうが(あるとは思いませんが…)、とりあえず医療機関で相談することからはじめましょう。

              マルコポーロ2004年9月より

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